ベストラブ

夏海はその夜…ずっと考えていた…。



今すぐ聞きたいよ…。


知りたかったハズの靴隠しの犯人…
デモ、もしかしたら…知らなかった方がよかったのかな…？



胸の奥がもやもやする。だって、あんな光景見ちゃったんだもん…

アタシの靴、踏んで…ゴミ箱へポイッ!だもんね、信じらんないよ!!




それまで少し落ち込んでいた夏海の心はもやもやカラいつの間にかイライラに変わっていて、
ずっとイライラしていた…。


「はぁ…。」


アタシ最近ため息多いなぁなどと、どーでもイイ事ばかり考えてしまう…。
もう夏海のくせなんだろう。



そんな自分にむしょうに腹が立って部屋から出た。…と同時に足の小指を柱のかどにぶつけた…。

「っいったぁい!!!…」
「…。」


「っもぉ!!……っはぁ～。」

そう言って肩を落とす夏海。



（あ…マタため息が…。）



そんな事を考えていると横から笑い声が聞こえた…

『ッハハハハ!!ァッハアッハ!!』


夏海は小指を押さえながら横を向く。


（なんだ…海斗かよ。。。）



「っちょっと!!!そこのお兄さん？？何笑ってるワケ？？」



そんな夏海の姿を見ながらマダ、ｸｽｸｽ笑いながら言う海斗。


『ｯﾊﾊ!だって夏海が…ｯﾋｨｰﾋｯﾋ!こっ、小指ぶつけて…ｯﾋ!』


マダ笑い足らないように言う海斗を見て、ほっぺを膨らましながら夏海は言う…。



「人の不幸を見て涙浮かべて笑うバカがどこにいんのよ!!」



海斗はからかうように言う…。

『ココにいまぁす!!(笑)』

「もぉ!!バカ…。」


『何だよ夏海？なんかあった…？』

少し様子の変な夏海にきずいて問う海斗。

「何も無いよ!!…。それより。海斗ってさ、小さい頃から一回も『お姉ちゃん』って呼んだ事ないよね？…何で？」


なにげない夏海の質問だったが、海斗は黙り込んでしまった…。