ベストラブ

少し見とれていた2人。

先に切り出したのは慎二だ…。


『きれいだな…こんなに穏やかな気持ちになったの何年ぶりだろ…変だよな。いつも見飽きてる河原なのに…。』


すると夏海は夕日を見つめながら答える。

「うん…」



2人は何かに取り付かれたかの様に、夕日を見つめる。



『多分、いつも見てるのに綺麗と思うのは夏海と一緒に見てるからかな？』



慎二は何か伝えたいような表情で今度は夏海を見つめる。


夏海は吹き出して笑う。


「ﾊｯﾊﾊ!!いきなり何いってんのアンタ☆゛」




そんな夏海に呆れた様に言う慎二。



『バカ!!お前ってホントにぶいよな？』



「えっ!？」



ビックリして夕日を見ていた夏海は勢いよく顔をあげて慎二のほうへ向く…



その時夏海は何かを感じ取った…。



ダメ!!
この返事を聞いたら…

何か。
何だかこれからものすごく嫌な事が起きる気がする…。


聞きたくない!!




そんな事を思いつつも…逃げるに逃げられない状況。。。


夏海は黙って慎二を見ない様に目をそらす。




そんな夏海に容赦せず慎二の言葉が耳に入って来た。



『お前がさ…夏海に彼氏がいるのは分かってる。でもオレは…。』




そんな時、裕也は河原の草原を自転車で走っていた。


夏海を見つけた裕也…。声をかけようとして手を上げるが、ゆっくりと手をおろし、声をかけるのを止める…



（あれは？あみのスキなヤツだっけ？？確かプリント届けるって…。）



何だか変な不陰気の2人を感じたのか、不思議に思い、2人を見る裕也。。。



そんな時、裕也が見ているとも知らずに話しを続ける慎二。
夏海は顔をそむけたままだ…



『オレはお前に彼氏がいても前からスキだった。』



それと同時に顔を上げる夏海。。。




夕日のせいか、何だか慎二の顔はオレンジに染まっていた。同様…夏海も


少しみつめあっていた2人だった。


その光景を河原の原っぱからみる裕也…。