ベストラブ
『なっ…夏海。おかえり…』
お母さんが少し引きつった笑顔で言う…
「うん…。」
海斗とお父さんは怒った顔をしている…
夏海はその空気に耐えられなくなり、「晩ご飯は食べたからいらない」と言うとその場を離れて自分の部屋へと向かった…。
冷たく、ひんやりとしたドアノブに手をやると、ベッドにバフッと倒れこんだ。
マダ生々しい傷がズキズキと痛んで頭にしみる…
夏海はベッドの上でボーッとしていると、フッと目に窓枠の傷跡が入って来た…
夏海はゆっくり立ち上がると、その窓枠の傷に指を重ね合わせてなぞった。。。
なんか、
この傷が気になる…
なんかこれから立ちはだかる壁にスゴく関係がありそう。
神様…
もしアタシに試練を与えているのだとしたら、
今すぐ取り除いてほしい…。
でも決して神様はそんな事しないと思う…
悲しいけれど、
苦しいけれど…
アタシは乗り越えてみせるよ…
どんな壁でも。
頑張ってみせる…