恋にきく魔法
「…木さん、柚木さん!」
あったかい日差しが頬を照らしてる。
すっごく気持ちいい…
「ゆーずーきーさんっ!!!」
「ふぇ……はいっ!」
あたしの意識を呼び戻したのは教室に響き渡る先生の声だった。
慌てて姿勢を戻す。
「またあなた寝てたんですか!?いい加減にしてくださいっ」
「す、すいません…」
オバサンな先生にあたしが平謝りしているのを見て、クラスが笑う。
あっちゃー、また寝ちゃった…
ん?
てことは今の、夢だったんだ…
変な夢だったなぁ…

あたしが起こされたのは授業の終わりあたりで、すぐにチャイムが鳴った。
あくびと共に次々と席を立って思い思いのことをする生徒達。
あたしはそんなこと出来ない。
親友の希夜にノートを見せてもらって、必死に写していた。
「芽衣ったら真面目なクセにすぐ寝るよね~ もう少し我慢すればこんなことしなくていいのに」
「しょ、しょうがないじゃん あんなあったかい席だもん」
「まぁね」
ケラケラと笑いながらあたしの髪の毛をいじってる希夜。
ほんっとあたしってバカ…
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