授 か り 人
「オレたちの体に、手をかざしてください」
火栄の言葉を聞いて、顔を見合わせた雷志と風稀は、半信半疑で右手を伸ばした。
『ーーー!!』
思わず目を閉じてしまう程の眩しい光が2人を襲う。瞼を閉じても、真っ白な光が刺さってくるようだ。
数秒後、目を開けた2人の前に火栄と氷斗は居なかった。その替わりに、2人の体が輝く光に覆われている。
「俺様たちは、この姿が元々の姿だ。驚かないように人と同じ容姿で来てやったんだ。有り難く思えよ」
風稀の纏っている光が小刻みに揺れると同時に、氷斗の声がする。
「氷斗、『授かり人』様に、どうしてそんな口の効き方ができるんですか。敬意の念を忘れてはいけませんよ」
雷志の纏う光もまた、小刻みに揺れるたびに火栄の声が聞こえてくる。
一体自分の周りでは何が起こっているのか、状況の理解が出来ないまま、次々と話が進んでゆく。
風稀はと言うと、あまりに困惑しすぎて、目を潤ませている。