授 か り 人
「解らない物を探しても仕方がないが、かといって何か情報があるわけでもない。どうすりゃいいんだ…?」
雷志は空中でしゃがみ込み、頭を掻き始めた。
「誰も情報が無いんだったら、聞くしかないよな」
てくてくと空中を歩きながら山並みを眺めていたところ、風稀が雷志の服を引っ張り出した。
「ねぇ、解んないけど、空を飛んでる人がいたら、みんなビックリしちゃうんじゃないかなぁ?」
それもそうだと雷志は最初に扉を通って出てきた場所に戻ろうと提案した。
それに賛同した三人と共にその場所までたどり着く。
上から眺めていた限りでは、そこそこの町並みが見えた。
一軒家がいくつか固まっていたり、塔のようなものもあったと思う。
「さあ、ここからどうしますか?」
火栄が雷志に質問する。
リーダーシップを取れるのではと判断したのだろう。
雷志は大きく指を指した。
「あっちに大きな町が見えたからそこで何か情報を持っている人が居ないか聞いてみよう。」