授 か り 人
第十一章 旅の準備
一時間ほど歩いたところで遠くに民家が建っているのが見えてきた。
「あれがチュラ川の手前にある村かな?」
風稀が目の上に手をかざして遠くの建物を眺める。
「あそこで色々準備をしていったほうがいいって言ってたんだったな」
雷志と同じ背丈になった氷斗が言う。
「とは言え、必要なものって何だろうな? 食料ぐらいしか思いつかねーな」
かたや記憶を消されてしまった二人、かたやマインに生み出された二人。
必要な知識などは持ち合わせていなかった。
「まずは村の方に必要な情報を聞くしかなさそうですね」
そう言ってもぞもぞと雷志の服の中に潜り込む火栄。
「なぁ火栄、そのサイズの人間を見ると驚くだろうからとはいえ、毎回服に入られるってのも困るんだが…」
ゆったりとした上着を上から覗き込みながら雷志が呟くが、他にやりようがない。
しばらくはこのままになりそうだ。
村の外で遊んでいる子供を横目に中を散策し始める。
必要なのはチュラ川を超えるための情報だ。
「すみません、チュラ川について聞きたいことがあるのですが」
近くを通り過ぎようとした男性に声をかける。
「あれがチュラ川の手前にある村かな?」
風稀が目の上に手をかざして遠くの建物を眺める。
「あそこで色々準備をしていったほうがいいって言ってたんだったな」
雷志と同じ背丈になった氷斗が言う。
「とは言え、必要なものって何だろうな? 食料ぐらいしか思いつかねーな」
かたや記憶を消されてしまった二人、かたやマインに生み出された二人。
必要な知識などは持ち合わせていなかった。
「まずは村の方に必要な情報を聞くしかなさそうですね」
そう言ってもぞもぞと雷志の服の中に潜り込む火栄。
「なぁ火栄、そのサイズの人間を見ると驚くだろうからとはいえ、毎回服に入られるってのも困るんだが…」
ゆったりとした上着を上から覗き込みながら雷志が呟くが、他にやりようがない。
しばらくはこのままになりそうだ。
村の外で遊んでいる子供を横目に中を散策し始める。
必要なのはチュラ川を超えるための情報だ。
「すみません、チュラ川について聞きたいことがあるのですが」
近くを通り過ぎようとした男性に声をかける。