授 か り 人
第十二章 晴天と暗雲
 村を出て三十分ほど歩いたところだろうか、丁度いい木陰を見つけて四人は座り込み少しの休憩をしていた。

 氷斗が弁当と共に買って来てくれていた軽めの朝食をとっている。

「天気が良くて気持ちいいね」

 風稀が少し大きめのおにぎりを頬張りながら嬉しそうに喋っている。

「確かにそうだな。旅の始まりが雨とか、やる気削がれるもんな」

 一通り食べ終わった雷志は、後ろに手をついて空を仰いだ。

「オレの身体ではこのおにぎりを食べきることが出来ません、どなたか残りを食べてくれませんか?」

 満腹になったのか火栄が芝生に寝ころんでいる。

「お、じゃぁ俺様が食べてやろう。どうも腹が減って仕方がねぇ。体が大きくなったからか?」
 大きな口でおにぎりを頬張る氷斗。

 くつろぎの時間と空気が流れている。

 皆が食べ終わり、五分ほど休憩をしたところで雷志が立ち上がる。
「さて、そろそろ再開するか」

 各々が荷物を持ち歩き始めた。
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