授 か り 人

「こうなると俺も何か忘れている記憶があるのは確実だな」

「あれ?森に道が戻ってるぞ」

 冷静に周りを見渡した氷斗は今まで等間隔に立っていた一回り小さい木がどれも消えてしまっていることに気付く。

「先ほどの大きな鳥の幻覚だったのでしょうか、それにしては質感はリアルでしたけれど」


 まったく訳が分からないが一件落着したことには間違いはない。

「水分補給でもして先に進もうぜ」

 あと半分も歩けばアロアの町も見えてくるだろう。

 そう言う雷志の言葉に賛同した三人はそれぞれの水を飲み、一呼吸おいて旅を再開した。
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