授 か り 人
「氷斗ずるい! 僕も食べる!」
観察していた風稀も器を一つ取りに行って自分の席に座る。
残りは勇視と奥さんが運んでくれた。
「授かり人っていうのはすごいんだな。毒が消えるなんて」
「俺様にかかればこんなもんよ」
小腹が空いていたのか勢いよく食べる氷斗。
「美味いな。でも次からはちゃんと選別しろよ」
毒キノコってのは美味いから、腹壊してもいいなら食べてもいいんじゃないか? なんて無責任なことを言っている。
それを見ながら雷志と火栄は『偉そうなくせに世話焼きだよな』とこっそりと笑っていた。