空気清浄機彼女
小春は苦笑いを浮かべながら
男の手を払いのける。

「なるほど…それで
空気清浄機なのね…

くだらない」


「くだらないなんて言うな!」

男の言葉の勢いに
息をのむ小春。

「絶対これは運命なんだ!
間違いない!

俺は君と付き合うぞ!

君との約束通り
春に雪を降らせて

君と付き合うんだ!」

男はバイクのエンジンを
かけた。

腹に響く爆音が
公園中に響き渡る。

マフラーから白い煙が出て
激しく光るライト。

大型バイクの大きなライトは
一気に暗かった公園を照らしだす。
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