空気清浄機彼女
「足元を見て」

そう言われた小春は
桜の花びらに覆われた地面を見た。

途端ににっこりと笑う小春。

「雪に見えないこともないね」

その言葉を聞いた男も
にっこりと笑う。

「夜にバイクで桜の並木道を
走っていた時

桜の花びらが
ライトに照らされて

真っ白に見えたんだ。

ライトの強い光が
桜の色を消して

真っ白にしちゃうんだろう。

これ…雪に見えないこともないよね?」


男は再び小春の手をとった。


「キミ…入院するんだろ?」


少し陰る小春の顔。
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