空気清浄機彼女
「待ってるよ。君が退院するまで
俺はいつまでも待っている。

そして退院したら」

小春の手を強く握りしめる男。


「若草の茂る草原に2人で行こう」


その言葉を聞いて下を向いてしまった小春。
両肩を震わせている。


心配をして小春の顔を覗き込む男。

だがだんだんと小春の
両肩が激しく震えだした。


「大丈夫?」

心配をして声をかけた男。
でもその心配は無用だった。

小春が顔をあげた瞬間
大きな声で笑い始めたのだ。

あっけにとられた男の前で
小春は笑い転げている。


ひとしきり笑い続けた小春は
男に向き直りこう言った。
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