空気清浄機彼女
祈るような気持で待つ男。
彼女の手がかりはここしかない。

ここに現れるのを
俺は待つしかない。

そして男の願いは
天に届いた。

彼女がやってきた。

昨日と同じように
彼女は一陣の風を連れてやってきた。

風になびく長い髪に
見とれる男。

「またあったね」

そう声をかける男は
鼻水と目のムズムズが

みるみる引いて行くのが
感じられた。

男の言葉を聞いて
笑顔でうなずく彼女。
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