図書室の悪魔
「返してよ!」
慌てて取り返そうとしても、返してくれる気配はない。
「先生相手にタメ口をきくのか?」
「先生が生徒に嫌がらせすんの?」
「嫌がらせじゃねえよ。いわば、教育的指導だな」
「はあ?」
何を言っているのだ、コイツは。
いいから早く返してよ!誰かに見られたらどうすんの!
「返してほしいか?」
「当たり前でしょ!」
いい加減にしてよ、と怒っても、どこ吹く風だ。
それどころか、とんでもないことを言い出した。
「返してほしいなら、俺の言うことを聞くんだな」
「え?」
「不純同姓交遊なんて外れた道を歩んでいる生徒には、俺が直々に指導してやるよ」
言うが早いか、指先で顎を持ち上げられ、そのまま唇にやわらかい感触。