図書室の悪魔

「ああー、どうしよう・・・」


 どうにもならないことは知っているが、あたしの口からこぼれるのは同じ台詞ばかり。
 しかもあいつ、どさくさにまぎれてあたしの唇を舐めやがった!
 でも、なによりも不思議なのは、イヤというのが嫌悪感ではなくて、困惑しすぎてというところだ。

 だって、気持ち悪いとか、なかった。

 ただ混乱しすぎて、気持ちが追いつかないだけだ。

 そもそも、なんであんなことを?
 顔は悪くないんだから、生徒に手なんて出さなくたって、女の子なんかよりどりみどりだと思うのに。

 何がしたかったんだろう。
 というか、そういえばプリクラ盗られたまんまなんだけど、返してもらえるんだろうか。


「もう、わけわかんない!」


 これ以上考えてもどうしようもないと思って、もうあたしは眠ることにした。

 明日のことは、明日考えよう。

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