図書室の悪魔

「何で?!あたし何かした?!!」

 何か理由があるに違いないと思って問いつめても、相手は冷たい目でじっとこちらを見つめたまま。
「別に、きらいになったんじゃないよ」
 じゃあ、なんで。
 そう問い返す前に、言葉を続けられた。
「でも、別れたい」
 そうきっぱり言われてしまえば、もうあたしの意見なんて挟む余地はないんだなとわかってしまった。

 あたしを映していない目と見つめあっているのがつらくなって、ふと目をそらすと、足下に鞄が落ちているのに気づいた。
(あー、鞄の角がへこんでないといいな。でも学生鞄は固いから大丈夫か)

 そんなどうでもいいことを考えていたら、最後通牒がつきつけられた。
 
「やっぱり、こんなのおかしかったんだよ」
「おかしくなんて・・・」
「ううん、おかしい。だって」

 だって?

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