図書室の悪魔
神様、あたしがいったい何をしたというのでしょうか。
嫌々ながら昼休憩に図書当番をこなしに来たあたしに与えられた指名は、蔵書の整理。
とはいえ、返却された本を棚に戻しにいくだけだから、仕事自体はたいしたものじゃない。
問題は、哲学書なんてわけのわからないものを借りたヤツがいて、それの置き場所が閲覧室のほとんど最奥の、しかもやけに高い位置だったこと。
入口のそばには一応踏み台もあるけれど、取りに行くのがめんどくさい。
なんとか届かないだろうかと、あたしは往生際悪く、ぐぐっと手を伸ばしてみた。