図書室の悪魔
ぱくん、と口を開けたままのあたしに、その人――――瀬川和己はにっこりと微笑んだ。
うう・・・昨日までのあたしならうっとりしちゃっただろうけど、女子たちが麗しいと騒ぐ美貌の下に隠された正体を垣間見てしまった身としては、怖くて仕方がない。
そんな風にびくつくあたしを面白がってか、瀬川先生は上げたままのあたしの手の甲に、自分の右手を重ねてくる。
そのまま体を倒してくるから、あたしの背中には先生の体がぴったりとひっついてる状態。