図書室の悪魔

 かったるそうに歩くあたしを心配してか、隣を歩く千鶴が口を開いた。

「まあまあ、まだ高校生活だってはじまったばっかりじゃん」
 ね、とにこにこ笑いかける千鶴は、中学からの親友で、女のあたしから見てもすっごくかわいいし、なによりやさしい。
 こんな親友にさえも秘密にしていた関係なんて、終わっても当然なのかもしれないな、と、ちょっとだけ思った。

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