頑張り屋な彼女と紳士の皮を被った狼
「市川さん、鈴木君の仕事頼まれてたでしょ。まだ残ってると思って、差し入れ持ってきました」


そう言って、手に持っていたビニール袋を掲げて見せる。

その袋には近所のお惣菜屋さんの文字。


「え! いいんですか!?」


実はここ、社内で評判の店。

私もここのお惣菜は大好きである。


「ええ。実は僕も夕飯まだなんですよ。一緒に食べませんか」

「はい、喜んで!」


私は袋の中身に魅かれて、笑顔で答えた。

コンビニ弁当が美味しいお惣菜に変身したのである。

思わず、満面の笑みで答えてしまった。


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