小悪魔 BOY

「そういやエミリ、家に連絡したの?」



あ‥‥‥



「忘れてたっ」


「バカーっ
早く連絡してきなっ?」



皆で楽しく話していると、蘭子が思い付いたように口を開いた。



真面目に連絡忘れてたや。



私は携帯を持って席を立つと、トイレへと向かった。



 ──── プルルルル



うちは、割りと厳しい家庭で、私が高校生になってからは、ものすごく監視をされるようになっていた。



過保護、じゃなくて監視。



「はい、高梨で御座います」


「あ、ユキさん?」


「お嬢様っ!旦那様がお怒りでしたよ?」



やっぱりか。



「すみません。連絡忘れてて‥。じい様はいらっしゃる?」


「あ‥、それが先程、会合があるようで外に‥」


「じゃあ、少し遅くなると伝えておいて下さい」


「かしこまりました」



ほら、ね。
心配してるなら会合なんかに出掛けないはず。


私が、お母さんみたいに"変な事"をやらかさない様に監視してるだけなんだ。



愛する人と駆け落ちをして、私を産んですぐに亡くなったお母さん‥


どんな人だったん‥



「せーんぱい♪」


「わ゛っ!」



月島‥くん?


トイレに寄りかかり私を待っていたのは、ニコリ、いつもの笑みを浮かべた月島くんだった。





< 10 / 23 >

この作品をシェア

pagetop