小悪魔 BOY
「こんなとこで、何してるの?」
「ねぇ、先輩って高梨家の跡取りでしょ」
‥‥‥‥‥は?
「えと‥何の事だかわからないんですけど‥?」
「高梨笑罹。3年前の、中学校体育連盟総合大会のチャンピオン‥ですよね?」
「な‥んで‥それ」
「俺もその大会、優勝したんですよね」
─ 「男子の部、今年の優勝は1年だって!」
─ 「は?名前は?」
─ 『月島聖夜』
「あの時の‥1年生?」
「えぇ。まぁ僕は、あの時を最後に試合には出ませんでしたけど」
やっぱり経験者。
しかも3年前の日本一じゃない。
「どうして、エミリ先輩。弓道辞めちゃったんですか?俺、エミリ先輩に憧れてこの学園に入ったのに」
─ ズキン
「月島くんには関係ないでしょ」
そう告げると、私は2人の元へ歩みを進めて‥
「んぅっ‥」
‥‥‥‥‥ん ?
「っ‥‥はなし‥ッ‥て!」
私キスされてる?
「‥っ‥ゃ‥ぁ‥‥」
「エミリ!」
「っはぁ‥はぁ‥」
足の力が抜けて、立っているのも困難になった頃。
誰かの、私を呼ぶ声が聞こえた時、やっと唇が離れた。