小悪魔 BOY
「じい様」
じい様の部屋のドアは襖なため、外から声をかける。
“純和風”って感じのじい様は、畳に布団じゃないとダメみたいで、そんな和風な造りが嫌な私は、屋敷の一部屋を洋風にリフォームしたんだ。
それがじい様にバレた時は、3日は口聞いてもらえなかったっけ。
「エミリか‥
入れ」
「失礼します」
私は頭を下げ部屋に入ると、じい様の前に正座した。
「何か用事ですか?」
中々話し出さないじい様に、話の先を促す様に口を開いた。
「今日、一緒に居た男性は?」
要のやつ‥
「輝の事かしら?」
ニコリ、笑みを浮かべながら応える。
きっとじい様が聞きたいのは月島くんの事だろう。
「ふぅ‥エミリ、お前は高梨流の跡取りだ。それを忘れるな」
イコール、恋はするな‥って事ね。
「わかってるわよ」
そう答えると、私は部屋を出た。