小悪魔 BOY
「ねぇ、蘭子‥ここは一旦帰‥‥」
「ノエルくーんっ♪」
ったく‥
人の話を聞け。
どうやら蘭子は、月島くんを発見したようだ。
「あの‥?」
案の定、月島くんは困惑している様子。
「始めまして。私如月蘭子♪」
わぉ‥
すごい声の変わり様‥。
「ノエルくん見て、部活の勧誘に来ました♪」
え、そうなの?
よくもまぁ、口からそんな出任せが‥
「そうなんですか。
えっと何部なんですか?」
この人、常に笑顔だな。
「弓道♪興味ない?」
「あ、僕。丁度弓道部に入部しようと思ってたんです」
え‥‥‥‥
「まじーっ?なら、後輩くんになるわけかっ♪よろしくね?」
「そうなんですか?
よろしくお願いします」
「よろしくねぇ♪
ちなみにぃ‥こっちはマネージャーの高梨笑罹」
「エミリ先輩‥」
私を見ると彼は、少し驚いた様な表情を見せた。
な、何‥?
私が怪訝そうな表情を浮かべていたのか、彼はすぐにその場を取り繕う様な笑みを浮かべ
「先輩、よろしくお願いします♪」
と、無邪気な笑顔で言ってのけた。
こいつ‥
どっかで見た事ある様な。
「よ、よろしく‥」
この"再会"が、私の運命の歯車を、少しずつ狂わせ始めたのだ。