100円のメロンパンの幸せ。
オレンジジュースを口にして、喉を潤した後、私は恐る恐る質問した。

「どんな人ですかー?」

ーそんなの、聞くつもりないのにー


つい心とは裏腹に、口から勝手にペラペラと言葉が出てくる。


「うん……いつも、パン屋さんに来て、メロンパンを買う女の子で、今…俺の目の前に居る子」


「え?……///」


ーまさかー


「気になってたんだ、君がパン屋さんへと通うようになってから…可愛い子だなって…でも、俺みたいなオジサンを相手にするはずが無いって思ってた」


「そんなことないです……私は、ずっと前から赤津川さんのことが好きで、私の方こそ…こんなガキんちょ…相手にしないだろうなって」



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