日のあたる場所で
「うわぁ…やっぱりお部屋に花があると雰囲気が違うね!」
詩織さんと部屋に戻ると、ベッドの横にある花瓶に薔薇が飾られていた。
「ふふっ、お嬢様嬉しそうですね。…私はそろそろ仕事に戻ります。何かありましたらまたお呼び下さい。」
「うん、ありがとう。」
詩織さんが部屋を出てからも、ずっと薔薇を見つめていた。
「そんなにその薔薇が嬉しいのか?」
声のした方を振り返ると、知秋がドアにもたれかかって私を見ていた。
「…知秋。びっくりした……いつから?」
私の問いかけが聞こえているのかいないのか、知秋は何も言わずにドアを閉めて私の方に歩いて来た。
「菜月…お前は薔薇よりも美しい。……俺の愛しい人。」
そっと私の頭をなでて知秋は優しく抱きしめてくれた。
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