日のあたる場所で


目が覚めた時は、もう知秋はいなかった。



「仕事に戻ったんだ。」


私は、手を胸にあてて深呼吸をする。



昔から体が弱かった私は、ずっと病院で過ごしていた。


だから、よく病院に遊びに来ていた知秋と仲良くなるのに時間はかからなかった。




「よいしょっと…。」


ベッドから出て私はまた、窓越しに庭の景色を見た。



「あ…翔太君。」


窓を開けて私は身をのり出した。



「翔太君!お庭の手入れ?」


「…お嬢様!危ないですよ!」


いきなり声をかけたからか、翔太君はびっくりしていた。


そして、二階の窓から身をのり出した私を心配してオロオロし始めた。



「大丈夫!…ねぇ、私もそっちに行って良い?」


「わかりましたから!早くお部屋に入って下さい!」



翔太君は、私の家の住み込みの庭師さんで彼とも小さい頃から仲良くしていた。





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