日のあたる場所で


「菜月、どうして俺が言った事を守れないんだ?」


部屋に戻った私をまずベッドに入る様に言ってから、知秋は私にそう言った。


「ごめんなさい。…でも、さっき翔太君が言ってた事は嘘だから。私がお庭に行きたいって言ったの。」


「…質問の答えになってない。お前はそんなに翔太が気になるのか?」



知秋の顔は更に険しくなった。

「気になるって…知秋だって昔から翔太君と遊んでたでしょ?私にとっても大切な友達だもの。……さっきはかばってくれたし。」


「昔わな…でも今は、違う。」


どういう意味なのか…知秋にはこれ以上聞けなかった。


さっきまでとは違う、切なそうな顔をしていたから。




「ごめんね?知秋の言う事、ちゃんと守るから。」


「あぁ。…俺も悪かった。庭ぐらいだったら、好きな時に出ても良い。ただし、ちゃんと側に誰かを付けること!……良いな?」


「うん、わかった。」



知秋は、そっと私のおでこにキスをしてまた仕事に向かった。




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