なんちゃってのその後に
「なんだと思う?」
「わかんないよ。」
「俺が欲しかっただけなんだけどね。」
「………???」
解るはずないんだけど。
考えてる朱香が可愛い。
箱の外観だけ見て中を当てようとしてる。
無理だって。
「開けてみなよ?」
「うーん…そーするっ。」
ちょっと悔しそうに包みを開けはじめる。
やっぱり可愛いなぁ。
一緒にいるとホッとする。
ずっと時を重ねられたらいいな。
「…あ。時計だ!可愛い!」
朱香の手にあるのは水色の文字盤に白いバンドの時計。
文字も針も白。
暗いところでは光る。
朱香の好きな水色。
と、俺の中の朱香のイメージ。
朱香は時計いつもしてないけど。
「ちなみに色違い。」
俺の腕にはすでに付いている。
赤色の文字盤に黒いバンド。
文字と針は同じ白。
同じ文字と針が時を刻む。
「時間も合わせてあるよ、俺のと。」
「ありがとう……。」
「あと。電池も4年は大丈夫だってさ。」
だから4年は一緒。
って意味が通じたのか、こっちを少しだけ赤い顔で見てる朱香。
喜んでるよね…?
「大事にするね。」
嬉しそうに時計を付けようとしながら言う。
でも不器用で付けられない朱香。
あー。もー…。
まったく…。
「貸して。」
朱香から時計を取り上げて左につける。
女の子だから文字盤は内側かな?
これから二人の時を刻む物。