なんちゃってのその後に




クリスマスで安心している場合じゃなかった。
すぐに誕生日。
年末だし。
なんだかちょっと慌ただしい。

だけど。

絶対お祝いしたい。
朱香が産まれてきたから今、一緒にいられる。


「はい、プレゼント。」

「ありがとう!」


渡したのはクリスマスよりちっこい包みが二つ。
一つはおまけ。


「あ、雪だるま!!」


雪だるまのプラスチック?の飾り。
普通は可愛いだけなんだろうけど…何故か雪だるまが好きな朱香は喜ぶはず。
ネットのアイコンも雪だるまだしね。


「ありがとーっ♪じゃこれはなんだ?」


いそいそと次を開けている。
出てきたのはハートのペンダント。


「わ…。」

「暁と二人で見てきた。一応付いてる石は誕生石。タンザナイト。」

「ありがとう。」

「うん。あ、それ貸して?」

「?」


朱香からペンダントを受け取り、朱香に付ける。
ちょっとキザかもしれないけど。


「はい、これでよし。」

「…ありがとう…。」


やっぱり照れてる。
これが見たかったのもあるんだよな。
可愛い。
今、可愛いって言ったら怒るんだろうけど。

笑顔を見れる。
ただそれだけでちょっと幸せな気分。




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