なんちゃってのその後に
「あんまり上手じゃないんだけど…。」
ベンチに座り、朱香は恐る恐るお弁当を広げはじめた。
おにぎり、卵焼き、鶏の唐揚げ、キュウリ?
なんかシンプルだけど美味しそう。
「いただきまーす!」
まずは唐揚げ。
「うまっ……!!」
「ホント?良かった!!」
ホントに美味い。
なんか市販のとも違うし、実家のとも違う、食べたことない味!!
ヤバい…パクパク入る!!
「キュウリ?なんか切り方可愛い。」
「あ、うん…簡単なんだけどね。」
キュウリは何て言ったらいいか解らない可愛い形。
何切りなんだろう?
どうやって切ったか解らないけど、半分半分で互い違いの斜め。
「卵焼きも美味しい。朱香はお砂糖入れないんだ?」
「あ、うん、家のが入らないの。」
「へぇー。」
なんだかいつものご飯とは違い楽しいし、美味しい気がする。
また知らない朱香も発見。
「ごちそうさまでした。」
「おそまつさまでした。」
朱香は少し照れながら、嬉しそうに笑って言った。