なんちゃってのその後に

お花見、当日。
見事快晴。
重樹と出かける日は必ずいい天気。
亡くなった私のお爺ちゃんは雨男だけど…ついて来てないのかな？

いつものお迎え。
今日はちょっと待ち合わせギリギリだった私。
笑顔の重樹が朝から優しく見えるのは春のせい？


「おはよ。ちゃんと捕まっててね？」

「おはよう。解ってるよ。」

そう言いながら慣れたように後ろに乗る。
ホントは最初、バイクなんて危ないもの一生乗らないと思っていた。
初めて乗った時はすごく怖かった。
変わるもんなんだな。

私が乗ると重樹はいつものようにエンジンをかける。


「いくよー？」

「はーい。」


私の返事を聞いて、重樹はバイクを走らせる。
今なら重樹のバイク好きも少し解る。
本当に気持ちがいい。



しばらく走ると桜が見えはじめた。


「あそこにも桜!!」

「あ、ホントだ。」


走りはじめて小１時間。
休憩も挟んではいるけど走りっぱなし。
重樹が疲れいるのか心配だけど思わず叫ばずにはいられない。


「あ、あっちも!!ほら!!」

「ホントだー。綺麗だね。」

「うん!!」


二人で来て良かった。
桜がすごく綺麗に見える気がする。
重樹のおかげ？



「あそこかな？着いたよー。」

「わーい♪」