なんちゃってのその後に



「でもさ。不安になる。」

「不安?」

呟いた俺に暁が手を止めて振り向く。

「…うん。俺なんかでいいのかな?って。俺、ぐだぐだじゃん?俺だったらヤダ。」

それを聞いた暁はしばらく俺を見て、くるっと後ろを向いた。

やっぱりヤダ…?





「…ぷっ。ぷぷぷ。」

「…え。」

しばらく後ろを向いていた暁が小さな笑い声とともによじれはじめる…。

…人が心配してるのに…。

「…笑うとこじゃないんですが?」

「や、恋する乙女だな、と思って♪」

「…乙女って……。」

「大丈夫。自信持ちなよ。俺が保証する。」

「……………うん。」



結局、なんだかんだで、楽しそうな暁に言いくるめられた感じ。



暁はああ言うけど。
ホントに自信ない。

バイトでもぐたぐだで朱香によく怒られるし。
寝たら起きれないし。
アレルギーあって肌は荒れてるし。
片付けできないし。

思考回路も…
真っ黒だし。
マイナス思考だし。
マイナスオーラ放ちまくりだし。

どこがいんだろ…。




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