地味子の秘密*番外編*
中村さんが女性の店員さんに場所を尋ねると、あたしたちを部屋まで連れて行ってくれる。
着いたところは、店内でも広めの個室だった。
たぶん、大人数用なんだろうね。
――コンコン
山野さんが、部屋のドアをノックする。
「どうぞ」
中から男の子の声がした。
え? 合コンって男の子もいるの?
――ガチャ……
そんなことを考えていたら、山野さんがドアを開ける。
大音量の音楽が流れる部屋に、ひとりずつ入って、あたしは最後に入った。
ちょっとうるさくない?
「あっ! 来た来た!!」
「どうも~」
そんな声を聞きながら、室内を見渡すと……5人の他校の制服を着た男の子と、その人たちとはまた違う感じの制服を着た女の子がひとりいた。
「こっちに座って!」
女の子が手招きをするので、中村さんが先に行き、あたしは長いソファーの端に座る。
男の子たちと対面するように、わかれていた。
う~ん、なんかよくわからないけど……こんな座り方だと、集団のお見合いみたい。
さっき、ケータイの国語辞書で合コンって調べたんだけど載ってなかった。
ホント、合コンって何するんだろう?
カラオケボックスにいるから、カラオケってことかな?
そんなことを考えていたら。
「じゃあ、みんな揃ったことだし、自己紹介しようか!」
あたしの斜め前にいた男の子が言い出した。
そうですよね。
自己紹介しなきゃ、みんな誰なのか全く知らないもんね。
合コンとは、最初に自己紹介をする。
と、覚えた。