地味子の秘密*番外編*
――陸side――

午後6時―――。


「では、これにて会議を終了します」


司会の北原が、終わりを告げ、会議室から重役たちが出て行く。

俺も資料をまとめ、席を立った。

ようやく終わった……。

3時間とか長い。

もう帰りたい、今日は疲れた。


スーツの内ポケットからケータイを取り出して、電源を入れる。

会議中は切っていたからな。

トコトコと歩き、社長室内に入った。

杏はもう家に帰ったか? 6時だろ?

なんて考えていたら……1通のメールを受信する。



03/14 17:00
From 神崎杏樹

会議お疲れ様。

中村さんたちと隣町で遊んでるよ。

なんか、彼女たちの中学時代の友達に頼まれて、今から合コン?っていうものに参加してくるね。



メールを開いた瞬間に目を見開いた。

は? あ?

ご、合コン?

なんで?


メールが送られてきたのは、1時間前の5時。


あの天然娘はなにを考えてるんだ?

すぐにメール画面を閉じて、杏に電話をかける。


しかし―――……。


≪呼び出しておりますが、応答がありません。お急ぎの方はメッセージをどうぞ≫


機械的な女の声が聞こえてくるだけ。

杏は出ない。

あんのっ……バカッ!!

――ダンッ!

社長室内のソファーを蹴った。


その時。

――ドンドンドン

は?

誰かが窓を外から叩く音 が聞こえた。

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