地味子の秘密*番外編*
そんな彼らを見つつ、中村さんたちを部屋から外に出す。

彼女たちには、店の外で待っているように言った。

よっぽど怖いのか、声も出さずに出て行く。



「こんなことやめないと、天罰が下っちゃうよ?」

女の子をどうこうしようなんて、最低の考え。

会話を聞いていた様子じゃ、これが初めてじゃないかもしれないみたいだし。

なんか、慣れているよね。

あたしがそう言うと、ピアスの人が睨みつけてきた。


「うっ……せぇ……!」


あらあら、まだ懲りないんだ?

じゃあ……。

ピアスの彼の態度に、反省の色がないって感じたから、右手でつくった印をさらに強める。

「うっ……」

そうすると、全員が顔をしかめた。

「こんなこともうしない方が、身のためだよ? 警察に行きたい?」

ニコッと笑顔で笑いかける。

すると、体の拘束がよほど苦しいのか、彼らは顔を横に振った。

う~ん、わかったのかな?


「もうしない?」

そう聞くと、全員が必死に首を縦に振る。

ん~ならいいかな?

でも油断はできないし。

そうだ! ここにいる“みんな”に仕上げはしてもらおう!


「じゃあ、約束は守ってね?」


そう考えて、あたしは部屋を出る。

店の通路に出た瞬間。


「みんな、死なない程度に……脅してきてくれる?」


その場にいた妖怪たちに頼んだ。


「杏樹様のご命令とあれば!」


そう言って、喜んで部屋の中に入って行く“妖怪のみんな”。


「「「「「ギャアアアアアア!」」」」」


中から、そんな叫び声が聞こえたのを確認して、あたしはカラオケボックスを出た。

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