地味子の秘密*番外編*
杏は今、床に正座をしている。
俺は、それをソファーに座って眺めていた。
「おい、お前はバカか?」
「はい……」
「合コンの意味も知らずにノコノコとついて行って、その挙句、相手は体が目的で。店に入った時に雑鬼が危ないってことを教えてくれたからよかったものの。一歩間違えば、大変なことになっていたんだぞ」
「はい。すみません……」
ホントに勘弁しろよ。
うつむく杏に、またため息をこぼす。
ここに来るまでの車の中で、大体の話は聞いた。
合コンの意味はまったく分かっていなかったが、店に入った時に雑鬼が相手の男たちについて教えてくれたらしい。
杏が言うには、雑鬼は、噂話とか好きだし、俺たちよりも情報網はすごいみたいだな。
だから、俺が杏の彼氏であることは周知の事実らしいのだ。
それで危険だと分かったコイツは、男たちに向けて幻が見えるように術をかけた。
それは、女たちが飲んでいたグラスを本物と違う場所にあると思い込ませ、薬を使わせることだそうだ。
そうして、ケータイで男たちの会話を録音し、証拠とした。
また、その後に不動金縛術を男たちに向けて発動させ、体が動けないようにした。
証拠の音声を聞かせて、もうしないように説得し、仕上げと言わんばかりに……雑鬼の奴らに、脅すように頼んだんだと。
まあ、陰陽師の杏に術をかけられたら、もう勝てない。
だから、男たちに勝算なんてなかったんだが、危ないことに変わりはない。
今回は、雑鬼たちのおかげでうまくいったから何も起こらずに済んだが……。
「もうちょっと、危機感持てよ。それに、あんまり無茶すんな。俺がどんな思いであそこまで言ったと思ってんだよ?」
「ごめんなさい……」
「いくら力を持っていても、お前は女なんだから。本当に無茶すんな」
「はい……」
正座をしている杏の腋に手を差し込み、自分の膝の上に対面させるように足を開いて座らせた。
杏は怒られているからなのか、まったく反抗しない。
いつもなら、イヤイヤと言うのに……うつむいて、背中を小さく丸めている。
俺は、それをソファーに座って眺めていた。
「おい、お前はバカか?」
「はい……」
「合コンの意味も知らずにノコノコとついて行って、その挙句、相手は体が目的で。店に入った時に雑鬼が危ないってことを教えてくれたからよかったものの。一歩間違えば、大変なことになっていたんだぞ」
「はい。すみません……」
ホントに勘弁しろよ。
うつむく杏に、またため息をこぼす。
ここに来るまでの車の中で、大体の話は聞いた。
合コンの意味はまったく分かっていなかったが、店に入った時に雑鬼が相手の男たちについて教えてくれたらしい。
杏が言うには、雑鬼は、噂話とか好きだし、俺たちよりも情報網はすごいみたいだな。
だから、俺が杏の彼氏であることは周知の事実らしいのだ。
それで危険だと分かったコイツは、男たちに向けて幻が見えるように術をかけた。
それは、女たちが飲んでいたグラスを本物と違う場所にあると思い込ませ、薬を使わせることだそうだ。
そうして、ケータイで男たちの会話を録音し、証拠とした。
また、その後に不動金縛術を男たちに向けて発動させ、体が動けないようにした。
証拠の音声を聞かせて、もうしないように説得し、仕上げと言わんばかりに……雑鬼の奴らに、脅すように頼んだんだと。
まあ、陰陽師の杏に術をかけられたら、もう勝てない。
だから、男たちに勝算なんてなかったんだが、危ないことに変わりはない。
今回は、雑鬼たちのおかげでうまくいったから何も起こらずに済んだが……。
「もうちょっと、危機感持てよ。それに、あんまり無茶すんな。俺がどんな思いであそこまで言ったと思ってんだよ?」
「ごめんなさい……」
「いくら力を持っていても、お前は女なんだから。本当に無茶すんな」
「はい……」
正座をしている杏の腋に手を差し込み、自分の膝の上に対面させるように足を開いて座らせた。
杏は怒られているからなのか、まったく反抗しない。
いつもなら、イヤイヤと言うのに……うつむいて、背中を小さく丸めている。