地味子の秘密*番外編*
├前編
急きょ自分の科目が休講となったある日の午後。
今日は朝から快晴で、見事な青空がのぞいている。
そんな日に……まったく。
俺はため息をつきながら、構内を歩きまわっていた。
「……俺はアイツらの保護者かっての」
文句を言いつつも、人探しを続行する。
ことの始まりは、10分ほど前だった。
俺のケータイに陸から着信が入り、
『杏、どこにいるか知らねぇ?』
と、聞かれた。
法学部の俺が、教室も違う経済学部の杏樹の居場所を知るわけがない。
『知らない』と返すと、電話口での陸の声はうなだれていた。
よく話を聞いてみると。
今は、陸たちも講義がない時間らしいのだが、杏樹が見当たらないらしい。
さっき講義を終えたかと思うと、さっさと教室から出て行ったようだ。
ケータイにかけても出ないし、今陸も校内を探しているのだと言う。
『で。俺にどうしろと?』
そう言ったのが、間違いだった。
『探してくれ! 頼む!!』
電話の向こうで必死にそう言う陸。
なんでも、傍に置いておかないと心配するらしい。
陸にとっては、杏樹の周りにいる男たちが野獣に見えて仕方ないのだろう。
つーか、なんて過保護な。
アイツ……彼氏というより父親じゃないか?
そう思いつつ、陸に『了解』と伝えて通話を切り……杏樹探しを手伝うことにしたのだった。
今日は朝から快晴で、見事な青空がのぞいている。
そんな日に……まったく。
俺はため息をつきながら、構内を歩きまわっていた。
「……俺はアイツらの保護者かっての」
文句を言いつつも、人探しを続行する。
ことの始まりは、10分ほど前だった。
俺のケータイに陸から着信が入り、
『杏、どこにいるか知らねぇ?』
と、聞かれた。
法学部の俺が、教室も違う経済学部の杏樹の居場所を知るわけがない。
『知らない』と返すと、電話口での陸の声はうなだれていた。
よく話を聞いてみると。
今は、陸たちも講義がない時間らしいのだが、杏樹が見当たらないらしい。
さっき講義を終えたかと思うと、さっさと教室から出て行ったようだ。
ケータイにかけても出ないし、今陸も校内を探しているのだと言う。
『で。俺にどうしろと?』
そう言ったのが、間違いだった。
『探してくれ! 頼む!!』
電話の向こうで必死にそう言う陸。
なんでも、傍に置いておかないと心配するらしい。
陸にとっては、杏樹の周りにいる男たちが野獣に見えて仕方ないのだろう。
つーか、なんて過保護な。
アイツ……彼氏というより父親じゃないか?
そう思いつつ、陸に『了解』と伝えて通話を切り……杏樹探しを手伝うことにしたのだった。