地味子の秘密*番外編*
そして、翌日。

俺は……朝から試してみた。

わざと、杏の教室の前で女たちと話したり、女たちを褒めてみたりと。

杏の気を引こうと、それはそれは頑張った。


それで、昼休み。

いつも通りに、西棟の教室で杏と昼飯を食っていたら、


「あのさ、あたしの教室の前で女の子たちと話すのやめてくれない?」


と、言われた。

マジ? 杏ちゃん、妬いてくれた?

――ドキンドキン

うれしくなって、口角が上がりそうになった瞬間。


「うるさすぎて、読書の邪魔なの。話すなら、自分の教室でやってくれない?」


一気に地獄へ突き落される。


「杏ちゃん……邪魔って……ひどくねーか?」

「え? そう? ホントのことを言っただけだけど」


サラリと、上目遣いで……また爆弾を投下された。


この日、俺が落ち込んだというのは言うまでもない。




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