地味子の秘密*番外編*

はァ?

なんのことを言ってるのか、さっぱりわかんねぇ。

彼女がどうして俺の頬をつねっているのかと考えていたら、


「みんながいるところで脱がなくたっていいじゃん」


そう一言、杏が呟く。


脱がなくたっていい?

俺が脱いだのって……制服しか……。

それがどうした?

ポカンとして、杏の顔を見つめた。


「なんであたししか知らない陸を他の子に見せるの……。もうヤダ……」


その一言で、杏の言っていたことがわかる。


ヤバ……これってさ……。


「なに杏。妬いたわけ?」


他の女たちに対する嫉妬だろ?


俺が、女たちの前で制服を脱いだから。

こんなことは滅多にねぇから……騒がれたし。

ニヤリと笑って、そう返す。


しかし、次の瞬間。


――バフッ


「うっわっ……」


取っていたタオルをまた頭にかぶせられた。

これで、また視界が遮られ……杏の表情がわからない。


でも、


「バカ陸」


この声で、照れているような気がする。


んで、俺はニヤニヤが止まらない。



< 185 / 381 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop