地味子の秘密*番外編*
「わ~い、やった! ね、ほら。止んだでしょ?」
うれしいと言わんばかりの満面の笑みを浮かべて、先パイを見る彼女。
「ホントに止んだな……」
まさか止むとは思っていなかったのか、ポカンとしている先パイ。
わずかにだけど、太陽も見えている。
てるてる坊主すご……。
「陸、早く帰ろう~! 今日の夕飯なにかな~?」
「はいはい……」
自分のカバンを持って、生徒玄関を出て行く彼女を、ゆっくりとした足取りで追う先パイ。
その表情にも優しさがにじみ出ていて、正直羨ましいと思った。
あんなに、思ってくれる人が身近にいて。
彼女は幸せ者だと思う。
先パイと、神崎先パイは、本物のカップルでした。
今日のことは、内容はあんまり言えないけど……キスしてたとかさ。
でも明日、ファンクラブの子たちに教えてあげよう。
私も、先パイみたいに大切にしてくれる人を探そうっと!
あっ。でも、ファンクラブは辞めないもんね。
ずっと、ふたりを応援していくんだから!
――END――