地味子の秘密*番外編*
――キーンコーンカーンコーン
講義終了を告げるチャイムが鳴る。
国内でトップと言われる有名なT大学。
日本人なら誰でも知っている大学名の正門の前に、私は立っていた。
あ、ちゃんと変装はしてるよ。
真っ黒な髪を隠すために茶髪の明るいウィッグをかぶって、ダテメガネと帽子も装着済みです!
チャイムが鳴った直後から、多くの学生が構内から出てくる
見る限り……みんな頭良さそう……。
この人たちの中で、滝本くんは経済学部トップで合格したんだよね。
杏樹ちゃんも、滝本くんにつづいて2位の成績で合格。
高瀬くんだって、法学部トップ入学者であることには変わりない。
去年の夏頃から、交流する友人が増えたけど……私って、実はすごい人と知り合いなのかも。
そんなことを考えていると、構内の奥から……女性の集団がこちらに向かってやってきた。
誰かを取り囲むように、うじゃうじゃといる。
なんだろう、あれ。
不思議に思って、女性の軍団を見ていると……ひとりの男の子が囲まれていたんだ。
「蓮様~~~!」
「私のチョコ受け取ってください!」
「ちょっと押さないでよ! 私の蓮様なのっ!!」
私自身、芸能界という場所にいるから……妬み、僻み、憎悪とかいう感情を剥き出しにする人たちと関わってきた。
メイクしてキレイな顔なはずなのに。
男の子を囲む女子たちの顔は、お互いに憎悪を剥き出しにする般若の形相だった。
こ、こわいっ……!
でも、それよりも怖かったのは。
「お前ら、ウザイ。引っ付くな、触るな、近寄るなっ!」
周りを囲む、女子たちを蹴散らす……高瀬くんの八岐大蛇の表情だった。
講義終了を告げるチャイムが鳴る。
国内でトップと言われる有名なT大学。
日本人なら誰でも知っている大学名の正門の前に、私は立っていた。
あ、ちゃんと変装はしてるよ。
真っ黒な髪を隠すために茶髪の明るいウィッグをかぶって、ダテメガネと帽子も装着済みです!
チャイムが鳴った直後から、多くの学生が構内から出てくる
見る限り……みんな頭良さそう……。
この人たちの中で、滝本くんは経済学部トップで合格したんだよね。
杏樹ちゃんも、滝本くんにつづいて2位の成績で合格。
高瀬くんだって、法学部トップ入学者であることには変わりない。
去年の夏頃から、交流する友人が増えたけど……私って、実はすごい人と知り合いなのかも。
そんなことを考えていると、構内の奥から……女性の集団がこちらに向かってやってきた。
誰かを取り囲むように、うじゃうじゃといる。
なんだろう、あれ。
不思議に思って、女性の軍団を見ていると……ひとりの男の子が囲まれていたんだ。
「蓮様~~~!」
「私のチョコ受け取ってください!」
「ちょっと押さないでよ! 私の蓮様なのっ!!」
私自身、芸能界という場所にいるから……妬み、僻み、憎悪とかいう感情を剥き出しにする人たちと関わってきた。
メイクしてキレイな顔なはずなのに。
男の子を囲む女子たちの顔は、お互いに憎悪を剥き出しにする般若の形相だった。
こ、こわいっ……!
でも、それよりも怖かったのは。
「お前ら、ウザイ。引っ付くな、触るな、近寄るなっ!」
周りを囲む、女子たちを蹴散らす……高瀬くんの八岐大蛇の表情だった。