地味子の秘密*番外編*
◆アイドルの涙~蓮・茅那~
~蓮~
大学1年の春休みが舞台。
――蓮side――
――カシャン……
「もういい。今日は帰れ」
「えっ……高瀬くん?」
竹刀を床に置いた俺に、不安げに尋ねてくる茅那。
今は、俺の家の道場にて剣道の稽古中。
始めてから……約1時間ほど経つ。
だが、ヤツがまったく集中しないので、もう終わりにする。
「座れ」
突っ立っている茅那を床に正座させ、お互いに防具を外して、礼をした。
稽古を突然やめたことに、茅那は呆然としている。
「な、なんでですか? 私……何か」
自分に非があると思ったのか、俺に問いかけてきた。
「まったく集中してねえから。うわの空でやるとケガする。だから、今日は帰れ」
吐き捨てるように告げると、彼女はハッと、『ヤバイ』というような表情になる。
「ご、ごめんなさい……」
茅那は正座したままうつむいて、道着の裾を握りしめた。
――蓮side――
――カシャン……
「もういい。今日は帰れ」
「えっ……高瀬くん?」
竹刀を床に置いた俺に、不安げに尋ねてくる茅那。
今は、俺の家の道場にて剣道の稽古中。
始めてから……約1時間ほど経つ。
だが、ヤツがまったく集中しないので、もう終わりにする。
「座れ」
突っ立っている茅那を床に正座させ、お互いに防具を外して、礼をした。
稽古を突然やめたことに、茅那は呆然としている。
「な、なんでですか? 私……何か」
自分に非があると思ったのか、俺に問いかけてきた。
「まったく集中してねえから。うわの空でやるとケガする。だから、今日は帰れ」
吐き捨てるように告げると、彼女はハッと、『ヤバイ』というような表情になる。
「ご、ごめんなさい……」
茅那は正座したままうつむいて、道着の裾を握りしめた。