地味子の秘密*番外編*
え? ここが一番女性たちが気になってるとこなんだけど。


「え? いるの? 彼女」

「どっちでもいいですよね、僕に交際相手がいるかいないかって」

「ダメなのよ、それが! みーんな蓮ちゃんのこと狙ってんだから」


彼女の質問に対しては、答えようとしない高瀬。

なんで?

なんか教えたくない理由や事情でもあんのか?


「ねーねー教えてよ~俺、警務課の女の子たちに蓮ちゃんの情報収集頼まれてんだから~」

「なんですか、それ」

「いるの~? いないの~?」

「……」

「あー彼女じゃなくて……いるのは彼氏、だったりする?」

「はァ?」


俺の発言に、眉間に思いっきりしわを寄せた高瀬。

怒っているのが一目瞭然だ。

こめかみの辺りがヒクついている。

どうやらホモ説は否定的らしい。

女の子と必要以上に関わらないからか、そういう噂もあるんだよ。

でも、それはないとわかって、ひとつ情報を得ることができた。


すると。


「はぁー……誤解されたくないので答えますが」

「うんうん!」

「いますよ、付き合ってる子」

「キャー!!!! いるの~!?」

「小笠原さんうるさいです」


高瀬に一喝されるが、あまり俺には効かないんだなー。

そうか、そうなのか。

彼女いるんだ。


「彼女ってどんな子? 可愛い系? 美人系?」

「さぁ」

「もう答えたんだから教えて、蓮ちゃん?」

「……周りはどっちも言いますよ」

「可愛くて美人!? マジ? な、写メとかねーの!?」

「ありません」


ツンっと答えて、テキパキと仕事をしていく高瀬。

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