地味子の秘密*番外編*


「な、高瀬!! 茅那ちゃんって本当に可愛んだな! テレビで見るより生の方が可愛い。どうしよ、俺、声かけちゃいたい!!」


隣にいる沖田が興奮した様子で早口に喋る。

茅那ファンだから仕方ないといえば仕方ないか。

そんなヤツに俺との関係がバレたら……あんまり考えないことにしよう。



茅那が来たって、俺らの関係は秘密。

だからむやみに接触なんてしない。

付き合った当初から、ふたりで決めたことだ。



と、思っていたのに。

それは思いがけない時にやって来た。


時刻が13時近くなり、一旦昼休憩となった。

刑事課を見学した後の茅那は、その他の部署をまわり署長室へ向かったとのこと。

俺も自分の仕事の一区切りをつけ、昼食のために席を立った。



その時。


「あ、高瀬くんもご飯行くの?」


背後から斉藤さんに呼び止められる。

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