地味子の秘密*番外編*

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小笠原さんのおススメだというご飯を食べる中でも、気になってしまうのは先ほど見た光景のこと。

高瀬くんが来るのが遅く感じて、何か手伝えればと刑事課のあるフロアへとエレベーターで戻った。


でも、部署には誰もいなくて。

高瀬くんの席を見ても、何か仕事をしていて、たまたま席を外しているという感じも受けられない。

どこに行ったのかと思い当たる場所へ足を運んでみても、全然いなくて。

仕方なく先にお店へ行こうとエレベーターのある場所まで足を向けた。

その時だった。



「あ、いた」



長身で遠目からもスタイルがいいとわかってしまうシルエット。

細身のスーツを着こなした男性は、間違いなく私が探していた高瀬くん。


声をかけようと思った。




けれど。


彼の隣に立っているひとりの女性の姿を見て、その場に立ち尽くしてしまう。



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