地味子の秘密*番外編*
なんで妬くのかわからないけど、もういいや。
こんな風に……抱き寄せられた腕から、ちゃんと愛されてるって伝わってくるから。
「もう、高瀬くんてば……」
「茅那……ちょっと黙っとけ」
「んっ」
長くて深い、甘いキスが終わり彼と離れる。
「今日のお前、最高だったよ。お疲れ様」
私の大好きな優しい笑顔で高瀬くんは言った。
それが、どんなご褒美よりも嬉しかったのは……言うまでもない。
「高瀬くん」
「ん?」
「大好き!!」
ギュッと彼の手を握って伝えると、彼は一瞬目を見開き、噴き出して笑った。
「どーした茅那」
「言いたかったから言ったの!」
「はいはい、帰るぞ」
ケラケラと笑う彼に手を引かれて公園を出る。
「ねーねー! はちみつミルクが飲みたいです! お家に帰ったら作って下さいね?」
「はいはい」
「絶対ですよ?」
「はいはい」
ふたりで並んで歩く姿を外灯の明かりが照らしていた―――。