地味子の秘密*番外編*
右腕を見た樹里の第一声は。


「もぉ〜〜バカッ!!」


という……けなす一言。


俺の右腕には、鋭いモノで出来たようなデカイ切り傷があった。

そんなに言わんでも……良いじゃねーか。


「またケガしてるし。ちゃんと消毒したの?」

「舐めときゃ治るだろ」

「……保健室行くよ」


ガッシリと俺の手首を掴んで、教室とは真逆の方へ連れて行かれる。


その間───……廊下ですれ違う男子達から、羨望の眼差しで見つめられた。


───またか。


フゥーと息を吐いて、樹里におとなしく従い……向けられてる視線を受け流す。

しばらくして、目的の保健室に着いた。

まだ養護教諭もいない中、室内に入り、俺は近くにあったイスに座らせられる。

救急箱を持って来た樹里が、隣に座った。
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