地味子の秘密*番外編*
キレイなストレートの漆黒の髪。

華奢な体に、色白の肌。

整いすぎた顔立ち。

……誰がどこをどう見ても、絶世の美少女。


こんな容姿だから、コイツはこの学園のマドンナだ。

特に、男子からな。

だからといって、女子から嫌われてるわけじゃなく……友達は多い。

成績優秀、品行方正、容姿端麗。


男子達のアンケートで、『彼女にしたい女子No.1』だ。

去年学園内のミスコンじゃ、2位に倍以上の差を付けて、投票トップでの優勝。


告白されるなんて、日常茶飯事。

しかし、コイツは断ってばかりだと聞く。

何人の男が泣かされたんだか……。


そういや……。


「樹里」

「ん~?」


保健室内にある洗面台で、手を洗っている彼女に問いかけた。


「お前さ、先週3年の佐々木ってヤツをフッたって本当か?」

「えっ……うん……」

「マジかよ。もったいねぇな」


佐々木っていうのは、この学園内でかなり女子から人気あるヤツ。

たしか、サッカー部のエースだろ?

3年で、スポーツ万能。

性格も良くて、モテるっていうのに。

ファンクラブまであるって、クラスの友達から聞いたし……。



そんなヤツをフるって、樹里ってば誰か好きなヤツでもいるのか?





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